事業者がマイナンバー(個人番号)を取得するときには、本人確認を行う必要があります。
[本人確認の方法]
①マイナンバー(個人番号)の確認
提供する者の氏名とその者のマイナンバー(個人番号)が記載されている書類(マイナンバーカード、通知カード、マイナンバーが記載されている住民票の写しなど)によって確認を行う
②身元(実存)の確認
提供する者の氏名と生年月日が記載されている写真付きの身分証明書(運転免許証、パスポートなど)によって確認を行う
では、既に取引のある顧客などに対してマイナンバー(個人番号)の提供を依頼する場合、どのように身元確認を行うのでしょうか。
そこで今回は、既に取引のある顧客などへの対応についてご説明していきたいと思います。
既に取引のある顧客などへの対応
【既に取引のある顧客などにマイナンバー(個人番号)の提供を依頼する場合にはどのようなことに気を付ければ良いの?】
取引のある顧客などに対する身元確認は、事業者が氏名や住所などといった個人識別事項を印字した書類を取引先に交付し、その書類を取引先から返送を受けることによって行います。
<関連記事>
従業員や取引先からマイナンバー(個人番号)を取得する際の本人確認の方法とは?
つまり、一度既に身元の確認を済ませており、その後に個人識別事項が変更されていない取引先については、プレ印字書面(取引先の住所や氏名などが印字された書面)を取引先に送付し、その返送を受けることによって身元確認を行うことができます。
例えば、以下のような書面を送付することが考えられます。
平成○年○月○日 〒○○○-○○○○ ○○市○○町○-○ ○○○○様 個人番号の提供のお願い
〒○○○-○○○○ ○○市○○町○-○ 株式会社○○ 代表取締役 ○○○○
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 この度、○○(帳票名)作成のため、法令に基づき個人番号のご提供をお願いしております。 つきましては、下記①又は②の写しを本書面下部の貼付欄に貼付の上、同封の返信用封筒にてご返送くださいますようお願い申し上げます。 ご多忙中のところ大変恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。 なお、ご提供いただいた個人番号を含む個人情報については、上記目的以外には使用せず、当社の「特定個人情報取扱規程」に従い、適切かつ安全に管理致します。
記
① 個人番号カードの裏面 ② 個人番号通知カードの表面 以上 貼付欄
① または ②を貼付してください。
問い合わせ先 株式会社○○ 担当 ○○○○ 電話 xx-xxxx-xxxx
※左上に印字したご住所等に誤りがある場合は、お手数ですが、この書面は返送せず、上記担当者までご連絡いただけますようお願い申し上げます。 |
[point1 帳票名の記載]
「○○(帳票名)作成のため」などのように個人番号関係事務の記載によって、利用目的の通知を行います。
プライバシーポリシーによって既に利用目的を公表している場合には、念の為の利用目的に通知になります。
[point2 マイナンバー(個人番号)カード又は通知カードの写しによって番号確認]
マイナンバー(個人番号)カードは、通知カードと引き換えに交付されます。
そのため、マイナンバー(個人番号)カード又は通知カードのいずれか一方を持っていると考えられます。
そこで、いずれかの写しに貼付をお願いする内容となっています。
マイナンバー(個人番号)カード又は通知カードの写しに記載されているマイナンバー(個人番号)によって、番号に確認を行うことができます。
[point3 「添付」ではなく「貼付」]
「添付」ではなく「貼付」とお願いしているのは、当書面(プレ印字書面)自体の返送を受けるためです。
「添付」としていると、プレ印字書面の封入を忘れてしまう方が増えると考えられます。
プレ印字書面に印字された住所・氏名と、貼付されているマイナンバー(個人番号)カードなどの写しに記載されている住所・氏名が一致することによって、身元の確認とすることができます。
【まとめ】
ここまで、既に取引のある顧客などにマイナンバー(個人番号)の提供を依頼する場合の身元確認の方法について見てきました。
身元確認を済ませ、個人識別事項(氏名や住所、生年月日)に変更がない取引先に対しては、上記のようなプレ印字書面を送付して、その書類を返送してもらうことによって身元確認をすることができるということが分かりました。
少し難しいかもしれませんが、しっかり理解しておきましょう。