マイナンバー制度が実施されることで、個人の正確な特定による情報管理と、円滑な情報連携によって行政手続きが効率化されます。
1.個人の正確な特定による情報の管理
行政機関では、個人情報を取得・管理するにあたって、どの個人に関する情報かを正確に特定する必要があります。
従来は、基本4情報といわれる「住所」「氏名」「生年月日」「性別」によって特定されていました。
しかしこの従来の方法では、
①行政機関が把握している氏名と異なり取得した個人情報の氏名では|日字体が使用されている
②婚姻により姓が変更された
③転居したのに住民票が変更されていない
④コンピュータが住所の「1丁目2番地3号」と「1-2-3」を異なるものと認識する
といった事情により個人の特定に困難や負担を伴うという問題点がありました。
一方でマイナンバー制度では、1人1人に割り振られた重複のない個人番号(唯一無二の番号)によって個人を特定することができるので、上記のような事情にかかわらず、迅速かつ正確に個人の特定ができることが期待されています。
また、個人の正確な特定は、行政機関が個人情報を取得する場合のほかにも、社会保障給付・課税・被災者支援の決定など様々な場面で必要であるため、個人番号がその効率化に役立つものと考えられています。
2.円滑な情報連携
行政機関が他の行政機関がもっている個人情報を照会して取得する場合(情報連携という)にも、正確に個人を特定することができなければ、手続が円滑に進みません。
マイナンバー制度では、個人番号等(情報提供ネットワークシステムでは、個人番号に対応する符号(連携符号)が使用されます)により迅速かつ正確に個人の特定を行うことができるので、情報連携の円滑化にも役立つものと期待されています。