マイナンバー制度は始まったばかりの制度です。
企業が、従業員に対してマイナンバーの提供を求め提供を受ける際、さまざまな問題が
起こることが想定されます。その際の対応についてみていきましょう。
従業員がマイナンバーの提供を拒否した場合
番号法により、マイナンバーは「強制的」に集めることはできません。そのため、提供
を拒否する従業員も出てくることでしょう。
その際に参考になる対応が国税庁のサイトに掲載されています。
「質問」個人番号の提供を受けられない場合、どのように対応すればいいですか?
「回答」個人番号の提供を受けられない場合でも、安易に個人番号を記載しないで提出
せず、法律で定められた義務であることを伝え、提要を求めてください。それでもなお
提要を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録・保存するなどし、単なる
義務違反でないことを明確にしておいてください。個人番号の記載がないことをもって、書類
を受理しないということはありません。
企業としては、「きちんと説明し提供を求めたけれども、提供を受けることができなかった」
ということを記録・保存した上で、書類の提出を行うことになります。
従業員がマイナンバーを持っていない場合
〇 本人が海外赴任の場合(海外にいる際は、日本に住民票がないためマイナンバーが付番
されない)
〇 海外に扶養親族が居住している場合(外国籍の従業員が本国にいる親族を扶養親族に
しているケース)
〇 やむを得ない事情で住民票データを保有していない場合(本来マイナンバーの制度は
このような方々に確実に支援が届くようにするための制度ですが、このようなケースが
あることは否定できません)
そもそもマイナンバーを持っていない方々の手続き書類に、マイナンバーを記載することは
不可能なことです。
きちんと説明できるようにしたうえで、マイナンバー記載欄を空欄で提出することに
なります。
まとめ
対象者すべてから確実にマイナンバーを集めることは、非常に手間がかかる業務です。
雇用の流動性が大きい(入退社が多い)企業にとっては、入退社の際の手続きフロー
自体を見直す必要が出てくるかもしれません。